2020-08-04

7時半起床。蝉の鳴き声。森田童子のCDアルバムをかける。「ぼくたちの失敗」。アルバムの7曲目に入っている「サヨナラぼくの友達」に曲を合わせる。「サヨナラぼくの友達」はヒッピーの友達が亡くなる悲しい歌だ。「行ったこともないメキシコの話を、キミは薬が回ってくるといつも繰り返し話したね」という歌詞の部分が特に好きだ。時代は1960年代〜1970年代。当時、日本では学生運動が盛んだった。機動隊は学生に火炎瓶を投げつけ、若者は大学をバリケード封鎖した。村上龍は24歳で「限りなく透明に近いブルー」を書き上げ、芥川賞を受賞。自殺する若者。三島由紀夫の割腹。世界ではベトナム戦争。戦争に反対するラブ&ピースを掲げた若者達。ベトナムの僧侶は頭からガソリンを被り焼身自殺。ドアーズ、レッドツェッペリン、ベルベットアンダーグラウンド。若かりし草間彌生は日本を離れ単身ニューヨーク。毎日、食事もろくに取らずアパートにこもって狂ったように水玉をキャンバスに描き続けた。ハプニングの開催。ジャクソンポロックのドロッピングアート。晩年はアルコール依存症で苦しみ47歳で交通事故死。アンディーウォーホールシルクスクリーンキャンベルスープアメリカの大量生産。ニューヨークの地下鉄に落書きをして有名になったゲイの画家、キースへリングはエイズ感染で亡くなる。当時のアメリカを象徴する言葉は「ヒッピー、マリファナベトナム戦争」。ジョンレノンもベトナム戦争を反対する発言を残している。当時、そんなジョンレノンのことを偽善者や夢想家だと言う者もいた。ジョンレノンを暗殺したチャップマンのコートのポケットにはJDサリンジャー著作、「ライ麦畑でつかまえて」が入っていた。「ライ麦畑でつかまえて」の主人公であるホールデン少年は小説の中で偽善者面した大人達を辛辣な言葉で罵る。ジョンレノンを暗殺したチャップマンも元は純粋なジョンレノンのファンだったのだがいつしかホールデン少年になりきってジョンレノンを非難するようになる。「このままだとジョンがダサくなってしまうので僕が殺してあげないといけない」と考えるようになる。森田童子の曲を聴きながら自分が1960年代に生まれることができなかったことを残念に思う。