【狭き門】

この本は、三回読み返しました。あまりの素晴らしさに、写経しましたもんね。私の、昔のインスタグラムのアカウントに。清楚で美しいアリサは、地上の幸福よりも、天上の幸福を望みます。それ故、愛する従兄弟(恋人)に対する恋愛感情を黙殺する日々。ある日、彼がアリサの部屋に訪れると、二人で、共通の本を読み、作り上げたアリサの部屋の愛の本棚が、陳腐な宗教書ばかりが、並んでいることに彼は気づきます。そのことに驚いた彼は、アリサに尋ねます。しかし、アリサの答えは「私、もう、あのようなご本たちには、興味がなくなってしまいましたの。それよりも、野に咲く陳腐な花や雑草たちに心が惹かれますの。なぜって、彼らは、自分が、とるに足りない存在だってことをちゃんと理解してらっしゃるんですもの。それでも、主のみまえにたって、頭(こうべ)を垂れるときにだけ、自分たちが、幾分かの値打ちがある存在になれるってことに気づいてらっしゃるの」