黒髪ロングヘアの、女の幽靈

この家の窓の、写真、俺の住む、部屋の窓、開けたら、こんな風に、見えるのよ。俺の、背の高さからしたら。でさ、俺、今の、この、ボロアパート、住んで、もう、かれこれ、5年は、過ぎたのよ。で、この5年間、毎日毎日、この、お隣さんちの、家の窓と、レースカーテンから、なかが、透けて見える、部屋のなかの様子が、嫌でも、毎日毎日、目にしながら、生活してきたのよ。でさ、それは、それで、いいんやけど、そう、俺が、ここに、住みだした頃、この家に、幼稚園生くらいの、男の子、いたんよ。よく、はしゃぎ声、聞こえてきたんよ。俺の部屋にまで。で、俺、勿論、うるせーなって、ずっと迷惑してたんよ。で、ここ数年、一切、その、男の子の、声、聞くことが、まったく、なくなったのよ。不思議だよね。だって、そんなに、早く、成人して、家を、出ていくわけ、まず、ないし、それに、ここの、家の住人が、引っ越したとも、考えられんのよ。なんでかと言うとさ、この家、猫、3匹飼ってるのよ。そう、俺が、一週間くらい前も、投稿した、首元が、白い毛になってる、月の輪猫ね。あと、もう一匹は、そんなに、特徴なくて、文章に、できんのやけど、最後の一匹は、真っ白い猫なんやけど、実は、この、真っ白い猫も、男の子の、声が、聴こえなくなった、同時期ぐらいに、めっきり、姿を、見せなくなったんよ。で、今、俺、部屋で、この記事、書いてんねんけどさ、そう、たった今、この窓の奥に、横向き?けん、斜め後ろ向き?の、黒髪、ロングヘアの、女の幽霊の、声、聴こえたんよ。うっ、うっ、うって。

 

いや、実は、今、気づいたけどさ、この、黒髪の、女性、ここの、家の中に、いるんじゃなくて、俺の暮らす部屋のなかに、いるよな。だって、これ、反射してるだけなんやから。勘弁してくれよ。

でさ、確かにさ、俺、去年、自分の部屋の中の写真撮りまくってたんやけどさ、俺のアパートの、玄関、上がって、俺の暮らす、六畳一間の、写真撮影したらさ、俺の部屋の窓から、この、写真に写ってる、黒髪ロングヘアの、女の幽霊が、窓から、一歩、足を踏み入れて、俺の部屋のなかに、入ってきてる、写真、撮ったこと、思い出したよ。そう、つまり、去年、あの写真を、撮った日から、この、黒髪ロングヘアの、女の幽霊は、俺の部屋に、いつも、いるらしいよ。で、これ、書いてるときにさ、またもや、俺の部屋の、壁を、コツンって、叩く音、聴こえたのよ、今。でさ、今、俺の両隣の、住人、誰も住んでないんよ。だからさ、俺は、つまり、両隣、無人の部屋に、挟まれてるんよ。今。だからさ、俺の、部屋の、壁を、コツンと、叩く音がするのは、どう、考えても、おかしいんよ。