通り雨、そして、雨宿り

その頃の、僕らの生活と、言えば、決して地に足をつけて生きているという、所謂、世間一般の、表向きばかりはいいが、中身のない生活と、呼ばれるような、そんな生活でさえできて、いなかった。天気のいい日に、裏の打ちっぱなしの、ゴル場のコースの、周りを肩を並べて、散歩してみたり、近くの公園の池の、鯉に、ポップコーンを、投げたり、ベンチに座り、よく冷えた缶ビールを飲んだり、河原を歩いたりと、そう、どこにでもあるような、ごくごく平凡な日々をおくっていた。そんな、なんらいつもと変わらない、ある日の出来事だった。

 

君がその、僕以外の、他の誰かを、好きになってしまったから、うん、それで、僕と、別れて欲しいというのは、わかったよ、うん、ちやんと、理解もした。ただ、一つだけ、僕にも言わせてもらいたいことが、あるんだ。それで、君は本当に、今後、幸せになれるのかい?って、ことなんだよ。

 

つまりさ、そう、それは、ただの、一過性のものであってさ、ちょうど春先に、突然降り出す雨、みたいなもので、時期がきたら、また、カラリと、晴れ渡った空の下を、気づけば、歩いていた、という、具合にも、なりかねないことなんじゃないかな。と、いうことを、君に、僕は伝えたいんだ。それで、君は、もう、すでに、その好きな相手の男と、寝たのかい?

 

あ、いや、これは、言いたくなければ、無理に、聞くつもりは、ないんだよ。そんなことよりさ、現状、君のなかで、この僕という、存在がさ、どれくらい、小さくなってしまったのか?と、いうところが、とても、知りたいんだよ。僕は、つまり。そう、そこを、とても、今、心配してるとこなんだよ、君からの、その、突然の告白を、聞いて、いささか、僕も、今、ビックリしているとこなんだよ。実際の、話し。

 

いや、たしかにさ、僕ら、もう、いい歳だし、そう、現状、僕は定職にもつかず、日々、フラフラと、貯金だけを、食いつぶしながら生きている男だよ。それに、世間一般の、所謂、家庭と、呼ばれる、生活、つまり、僕ら、結婚も、たしかに、現状、しては、いないのも、わかっている。そんな、僕をみて、君が、前々から、不満を、抱いていたのも、知っている。

 

それでさ、これは、僕の、あくまで、提案なんだけどさ、その、僕らが、今の今で、急に、その、君が、言うように、このまま、別れてしまうのは、あまりにも、もったいないと、そう、僕は、思うんだよ。何故かってさ、その、僕ら、最近出会って、よくまだ、相手のことが、わからない、と言うような、間からでも、ない、わけだしさ。そう、だからさ、もうしばらく、このままの、生活を、続けてみないかい。つまり、もう少し、様子を、見てみないかい?そう、僕ら二人の、関係性について、様子を、みてみないかい?と、いうことなんだよ。つまりは。そう、勿論、君が僕に対して、不満を抱いている仕事の件も含めて、僕も、そろそろ、ちょうど、なんとかしないと、いけないとは、考えていたところでは、あったんだよ。確かに。だからさ、僕が、知りたいのは、現状、君が、僕と生活している上でだよ、何が?不満なのか?を、すべて、僕に、洗いざらい、打ち明けて欲しいんだよ。つまりは。そう、今の、僕が、望んでいる、ことは。そう、それと同時に、それは、今、僕が、君に対して、知りたいこと、でも、あるんだよ。なんでかって、言うとさ、確かに、こんな話しを、今まで、一度も、僕ら、お互い、触れずに、つまり、目をそらし続けてきた結果、今回の、君の、僕に対する、心変わりの、告白を、僕は、今日、聞くことに、なった、要因でも、あると、僕は、思うからなんだよ。つまりは、考えるから、なんだよ。そう、つまりは。

 

それから、僕らの、関係性は、徐々に、変わっていった。ただ、彼女が、働きに出て、今まで、どおり、僕が、家事をする、そう、それは、今まで、どおり、だった。ただ、もう一つ、彼女から、僕に、課された仕事は、そう、僕が、僕らの、子供の、面倒を、みる、ということだった。

 

エピローグ

 

そして、子供が、3歳に、なった、ある日のことだった。突然、子供が、僕に向かって、こんなことを、発したのだ。

 

「お父さん、試された、ママの勝ち」

 

と。

 

僕は、その、我が子が、初めて、発した、言葉の意味が、そう、何を?意味していたのか?そう、いまだに、謎のままなのだ。結局のところ。そう、きっと、子供にしか、見えない世界というものが、あって、そう、到底、僕や、妻みたいな、つまり、大人には、理解できない、と言うか、見たくても、見えない、そう、恐らく、そんな、世界というものが、また、別次元に、あるのだろう。そう、結論づけるよりかは、他には、なかったのだ。そう、この、僕でさえ。

 

改定版↓

 

エピローグ

 

そして、子供が、3歳に、なった、ある日の、出来事であった。

 

 

子供が、突然、僕に向かって、こんな言葉を、発したのだ。

 

「お父さん、試された、ママの勝ち」

 

と。

 

僕は、その、我が子が、初めて、発した、言葉の意味が、そう、何を?意味していたのか?そう、いまだに、謎のままなのだ。結局のところ。そう、きっと、子供にしか、見えない世界というものが、きっとあって、そう、到底、僕や、妻みたいな、つまり、俗世間に、どっぷりと、つかってしまった、所謂、大人には、理解できない、と言うか、見たくても、見えない世界、そう、多分、恐らく、そんな、世界というものが、また、別次元に、存在するのだろう。そう、結論づけるよりかは、他には、なかったのだ。そう、この、僕でさえ。

 

その瞬間だった、ベランダの方から、強い、雨音が、聴こえた。僕は、慌てて、ベランダに干してある、洗濯物を、室内に、取り入れた。その瞬間、雨が上がり、雲の切れ間から、陽光が、僕と、子供の体を、優しく、包みこんだ。僕は、久しぶりに、満たされた、なんとも、心地よい、気持ちになった。ふと、子供のほうへ、目をやると、子供は、無邪気に、僕の顔をみて、笑っていた。