【近所の猫】

このゴミ屋敷は、野良猫たちの集会場です。四匹ほどいます。ここの家の前に、私は、二日にいっぺん夜な夜な、餌を置くようにしています。餌は、生の牛肉に刺し身醤油をたらしたやつと、イワシやブリ、ハマチの刺し身(勿論、刺し身醤油をたらします。そのほうが、食いつきがいいのです。)、カルパス、チーズスティックです。昨夜は、カルパスとチーズスティックを置いておきました。勿論、今見たら完食していました。食べているかどうか?チェックするのが、密かな私の楽しみです。ちなみに、過去、生の豚肉や、タルタルフィッシュバーガーを置いて置きましたが、残されていました。ちなみに、四匹の猫のうちにも、三匹は黒と白のまだら模様で、残りの一匹は薄茶色と白のしま模様です。そのうち、二匹はカップルです。いつも一匹でいる生々しい傷をおった、黒と白の人間に怯える猫を特にひいきにしています。何故なら、この猫は、最初、半径五メートル近づいただけで、一目散に逃げていたのに、ある時、近づいても逃げず、ゴロンと地面にあおむけに寝て、腹を見せてきたのです。そして、恐る恐る手を近づけても逃げる気配がなかったので、お腹をさすってあげました。よく見ると片方の耳がきれいにV字型にカットされていることに気付きました。そうです、このV字型にカットされた猫は、子供を増やさないように、地域の住民により、避妊手術をされている証なのです。確か、切断した耳の形が桜の花びらに似ていることから、そう言う猫を、桜なんとかと呼ばれていることを、過去のネット情報により思い出しました。ということは、メス猫ですね。しかし、最近、姿を見せてくれません。もしかしたら、私とあのちゃんとの関係に気付いて嫉妬しているのかもしれません。猫には、不思議な能力があって、そういうことを察知できるんです。ちなみに、猫は、実は他の動物も多少そうなのですが、人間のことを馬鹿にしています。なんて、不憫な生き物だなと、同情さえしています。そう、猫が特にそういう傾向が強く、人間を舐めているのです。最初、私がこの猫たちに餌を与えようと思い立った時に、そのまま与えるのはしゃくなので、嫌がらせのために、わざとキャットフードの缶を開けずに、猫の集会上に数日置いて置きました。キャットフードの缶のラベルはうまそうな肉の写真が載っているのに、猫たちは、勿論、食べれませんよね?一見、酷い奴と、私のことを思われる方がいるかもしれませんが、これが動物界のコミュニケーションの一つなのです。やみくもに、可愛がるのは、人間世界のコミュニケーションであって、野生のコミュニケーションではないのです。頭をいつもいつも撫でたり、きちんと決められた時間に餌を与えていると、奴らは、すぐに舐めてきます。でも、かわいいですよね。舐められてもいいですよね。だって、人間じゃなく猫なんですから。