赤い、ちゃんちゃんこの、中年、幽霊

角を、曲がって、一秒後、一瞬、こっち、見たの、わかるか❓

赤い、ちゃんちゃんこを、着た、幽霊。俺さ、今の、ボロアパート住んで、だいたい、五年は、経ってて、このへんに、住んでる、住人の顔は、すべて、把握してんだけどさ、こんな、赤い、ちゃんちゃんこ、着てる、女の人は、はじめて、この日に、みたんだよ。で、おれ、目を、つぶると、色んな、動画が、流れてくるように、なってんだけどさ、ある日、精神病院の、デイケアで、昼寝を、しようと、思って、目を、つぶったら、俺が、自分の住んでる、2階建ての、ボロアパートの、前に、立って、自分の、アパートを、下から、眺めてる、情景が、出てきたんだよ。で、ぼーっと、その、情景、眺めてたらさ、俺が、住んでる、2階フロアから、おばさんが、めかしこんで、出てきたんだよ。で、スタスタスタ、階段、降りてくるんだよ。俺さ、その、情景が、現れた、瞬間、ビクーって、背筋、凍ったんだよ。なんでかって、2階フロアは、3部屋、しかなくて、その、3部屋とも、みんな、住人は、男だけだから、なんだよ。で、俺の隣に、山口さんっていう、お爺ちゃん、住んでるんだけど、その人、もう、独居生活に、入ってて、てか、山口さん、亡くなってるから、幽霊なんだけどな。本人、気づいて、ないんだけど。そう、山口さんの、お客さん、では、ないんだよ。その、中年の、女は。で、俺の、隣には、株式会社ウィズプロダクトだろ、で、その、隣は、人の良い、中年男性、一人暮らしで、昼間は、働いてて、夜にしか、いつも、帰ってこないんだよ。だいたい、帰宅時間は、22:30頃だよ。いつも。だから、俺の、住んでる、2階フロアから、中年おばさん、降りてくること、おかしいんだよ。で、俺、こえーながらも、その、おばさん、降りてくるのを、ただ、突っ立って、ぼーと、みてたんだけど、不思議なことに、その、中年おばさん、俺が、アパートの、前に、突っ立ってることに、全然気づかずに、そのまま、俺の前を、通り過ぎて、行ったんだよ。気づかないフリ、とかじゃなくて、ガチで、俺に、気づかずに、通り過ぎて、行ったんだよ。

この、杖を、ついた、雲は、数日前、亡くなった、俺の、実の、母親なんだよ。俺の、母親、生まれつき、足が、悪くて、股関節が、悪くて、杖を、ついてたんだよ。昔は。で、足の、股関節部分に、骨と、骨を、補強するための、鉄を、たくさん、埋め込んでたんだよ。生前。

 

今日、童子を、手の甲に、ついてもらった、タトゥーショップの、オーナーさんも、この、電車の中の、青年と、おんなじように、片手を、包帯で、まいてたんだよ。てか、前に、俺が、タトゥーショップの、オーナーさんの、写真撮ったのは、俺が、手の甲に、童子を、入れて、欲しいって、タトゥーショップの、従業員に、話してるときに、ひょろっと、オーナーさん、後ろから、現れて、オーナーさんの、手に、ふと目をやると、その、片手に、テーピングしてたのを、俺は、発見して、すぐさま、写真に、収めたんだよ。つまり、童子を、手の甲に、入れたいと、思った瞬間から、片手に、包帯巻いた、人が、続出してるんだよ。言うても、二人だけどな。でも、二人でも、十分だよ。ものすごい、確率だよ。俺が、手の甲に、タトゥー入れたいと、考えた、瞬間に、オーナーさん、そして、地下鉄のなかの、青年。