令和2年8月6日 ❷

約束の時間より3時間半も早く着いてしまい、時間を持て余す。今日は10時から「障がい者支援施設」の方と面談をすることになっている。私は発達障害も抱えており約束の時間通りに行くことができない。だいたい待ち合わせより2、3時間は早く目的地に着いてしまうことが多い。7時からオープンしているマックで1時間ほど読書していたが飽きてしまい店を出る。私は1つの場所に長時間じっとしていることも苦手である。常に移動していなければ落ち着かない。障がい者支援施設の近くに広がる田んぼのあぜ道を散歩する。田舎ののんびりした風景に癒される。アスファルトの路面の上には土の塊が所々見受けられる。農家の方が田んぼの土を長靴につけたまま歩いたあとだろう。トラクターが落として行った土かもしれない。そんなことをぼんやり考えながら歩いていたら尿意を感じる。さすがにこの近くにトイレはない。かと言って草むらの茂みで用をたすのも気が引ける。小走りで元来た道を戻り近くのローソンに入る。ローソンでトイレを借りる。トイレだけ借りるのも気が引けるのでR1ドリンクを購入。その場で飲み干し雑誌コーナーへ向かう。雑誌以外に文庫本や自己啓発本も取り揃えている。文庫本の背表紙を順番に読んでいく。銀色夏生の文庫本に目がとまる。銀色夏生の詩集は小学生の頃に読んだ記憶がある。私が買ったわけではないが姉が買って家に放置されていたのを読んだのだ。私が小学生の頃は銀色夏生は売れっ子の詩人だった。その後、ぱったりと名前を聞かなくなった。たまにブックオフの100円コーナーで目にしたぐらいだ。気になったのでページをパラパラめくる。詩集かと思いきや日記だった。数行読んだところ面白い。日々の生活がダラダラと書き連ねてある。どうやら大きな子供もいるようだ。少しがっかりする。独身で独り孤独にボロアパートで今も詩を書き続けていて欲しかった。かといって銀色夏生に不幸になってほしいというわけではない。ただ単に詩人や小説家がボロアパートで独り孤独に創作している様子が好きなのである。ブログを書いていたらいい時間になったのでぼちぼち障がい者支援施設へ向かうことにする。