【森を切り開き、街を作った人間】

道を歩いていると、痩せ型の神経質そうな中年女性に歩きタバコを注意される。軽く、謝罪はしたものの、火は消さずに吸い続けていると、(信号が変わるのを待っていた)先程の中年女性がこちらへ歩いて来て、「大名の街を汚さんでね」と強い口調で叱責する。私は、また、小さくハイと返事をして、信号が変わったので歩き出す。「街」と言ってもここは昔、「森」だったのだ。それを勝手に人間が動物たちのすみかを横取りして、我が物顔で「街」にしただけなのだ。