キリンの、木

僕は、いつも、澄んだ目で、青空を、見ていた。

そして、一人、いつも、家の近くの、段々畑の、なかで、遊んでいた。ぼくの、台所から、見える外の、風景は、青々とした、山だった。そして、僕は、その、山のふもとに、生えている、一本の、キリンの、首のような、長い木を、いつも、見ていた。そして、その、キリンの木は、僕の、本当の、お爺ちゃんが、僕の、成長を、いまか、いまかと、待ち望んでいてくれた、ということに、今、気づいたよ。なーんだ、あの、キリンさんの、木は、お爺ちゃんだったんだね。僕は、いつも、不思議だったんだよ、おじいちゃん、だってさ、どこから、どう見ても、キリンの形にしか、見えない木を、僕の家族は、誰一人として、あの木は、キリンにみえますね、なんて、口にする人は、いなかったんだから。